和楽器用楽譜作成・変換ソフト和楽一筋で作成できる和楽器の楽譜について解説します。
このページに掲載している楽譜は、和楽一筋で作成しました。

篳篥(雅楽明治撰定譜)

篳篥(ひちりき)は、雅楽や神楽の演奏で使用される管楽器(縦笛)です。
中国で誕生して、古代に日本へ伝来しました。

雅楽三管(篳篥、龍笛、笙)のひとつとして、雅楽の主旋律を担当します。
先端に舌(ぜつ)と呼ばれるリードを取り付け、息を吹いて音を出します。

篳篥

記譜法

楽譜は、運指を表す本譜と、唱歌やリズムを表す仮名譜で構成されます。
片仮名や漢字で、縦書きで表現します。

明治時代に、明治政府雅楽局(後の宮内省雅楽部、現在の宮内庁式部職楽部)が、各楽所・楽家の演奏手法統一、記譜法の統一、楽曲の取捨選択などを行い、楽譜集を編纂しました。
これが「明治撰定譜」と呼ばれるものであり、現代の雅楽の基礎となっています。

越殿楽(篳篥)

楽譜の例(越殿楽)

本譜は、向かって左側に記載されている部分です。
仮名譜は、右側に記載されています。
また、仮名譜の右側にある黒い点は、小節を表しています。

本譜の音符と運指は、以下の通りです。

篳篥の運指

音符 音程
舌(ぜつ) F~G
五(ご) G~A
工(こう) A~B
凢(はん) C~C#
六(りく) C~D
四(し) D~E
一(いつ) E~F#
上(じょう) F~G
丁(てい) G~A

奏法

  • 塩梅(えんばい)
    息の吹き込み方や、リードのくわえ方を調整することで、運指を変えることなく、音高に変化をつける奏法です。
    日本語の「いい塩梅(あんばい)」の語源です。
  • 叩き
    同じ高さの音を連続して吹くときに、上か下の音を瞬間的に演奏する方法です。

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