和楽器用楽譜作成・変換ソフト和楽一筋で作成できる和楽器の楽譜について解説します。
このページに掲載している楽譜は、和楽一筋で作成しました。

尺八(琴古流・都山流)

尺八は、日本に古来から伝わる木管楽器です。
竹で作られています。
標準の長さが一尺八寸(約55cm)であることから、尺八と呼ばれるようになりました。

尺八

記譜法

尺八の楽譜は、片仮名を用いて音を表します。
そのため、ロツレチ譜とも呼ばれています。
また、尺八の楽譜は縦書きです。
和楽一筋では、編集中は横書きで表示し、画像として保存すると縦書きに清書されます。

ホーハイ節

琴古流尺八譜の例(ホーハイ節)

流派

尺八の楽譜には、主に琴古流(きんこりゅう)と都山流(とざんりゅう)の2種類の流派のものが使われています。
どちらもよく似ていますが、使用する文字が違っている場合があったり、表記が異なる場合があります。

和楽一筋では、この2種類の楽譜の両方に対応しており、簡単に流派の切り替えができます。
好きな方の流派で楽譜を入力した後、もう一方の流派の表記に一瞬で切り替えができます。

琴古流の楽譜は江戸時代に初代黒沢琴古師によって創始され、古典曲などに使用されています。
琴古流には西洋音楽の「小節」にあたる概念がありません。
あえて言うなら全部の曲が4分の2拍子です。
そのため、和楽一筋の編集画面でも小節を区切る線は表示されません。
琴古流の場合、リズムを表す「間拍子(まびょうし)」と呼ばれる点を音符の周りに書きます。
和楽一筋では、間拍子は自動的に表示されるので、特別な操作は不要です。

間拍子

間拍子(左右の点)

都山流は、明治時代に琴古流と西洋音楽の楽譜を元に初代中尾都山師によって作られたもので、西洋音楽の影響を強く受けています。
明治時代以降に採譜された民謡や、比較的新しい曲では都山流の方が主流となっています。

都山流では小節の概念が取り入れられており、西洋音楽を知っていれば割とすぐに理解できると思います。間拍子はありません。

また、琴古流では音符の上、都山流では音符の横に線を引いて、音の長さを表します。

ホーハイ節

都山流尺八譜

奏法

尺八は、息の吹き方によってオクターブを変えることができます。
低い順に「呂音(りょおん)」「甲音(かんおん)」「大甲音」となっています。
「呂音」は「乙音(おつおん)」と呼ばれることもあります。
また、息を吹く角度を微妙に調節することによって、半音上げたり下げたりすることができます。
半音上げる動作を「カリ」、半音下げる動作を「メリ」、1音下げる動作を「大メリ」と言います。
和楽一筋では、音符を配置する時にこれらの設定をまとめて行うことができます。

どの音符がどのような運指になるのかは決まっていますが、民謡などでは独特の運指をする場合があります。
和楽一筋では、所定の運指にするか、独自に運指を指定するかを自由に設定することができます。

調律

尺八は、管の長さによって音階が変わってきます。
通常は一尺八寸管が使われます。
1寸長くなると音程は半音低くなるとされていますが、実際には一尺八寸から離れるほど誤差が生じます。
和楽一筋では、音程を優先して名称を付けた管(正律管)で調律ができます。
そのため、名称と実際の長さが一致しないことがあります。
実際の長さを基準にして作った管を正寸管と言います。

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